最近、新聞等で目にする「独立系金融アドバイザー(IFA)」
個人に資産運用を助言する独立系金融アドバイザー(IFA)の利用が広がりつつある。IFAは特定の金融機関に属さないため、従来型の対面証券や銀行と比べ独立した立場での提案がしやすい。……
<日経新聞2019.9.14 マネー指南役 自由な立場でより>
IFAは金融雑誌だけでなく一般新聞他テレビ等に取り上げられることもでてきました
そんなIFAに資産運用の相談をしたいと考える方もいらっしゃるでしょう
しかし、街中に看板があるわけでもなく、どこにいるのかもわからない
IFAってどんな人たちなの、どこに行けば会えるの、相談料は……などなどIFAに相談する前に知っておきたいことを以下まとめてみました
是非参考にしてください
目次
1.独立系金融アドバイザー(IFA)とは
2.IFAと他証券窓口との違い
3.IFAの人ってどんな人
4.IFAが取り扱える商品と手数料
5.IFAと取引する時はどんな手続きが必要か
6.IFAとの取引が向いている方、向いていない方
7.自分と相性の良いIFAの探し方
8.まとめ
1.独立系金融アドバイザー(IFA)とは
独立系金融アドバイザー(IFA)とは金融商品仲介業者のことです
金融商品仲介業制度は金融商品の販売を行う代理店制度を目指して作られた制度です
金融商品仲介業者は保険等の代理店業と似た性質を持つ有価証券の販売チャネルの一つであります
金融商品仲介業者は証券会社等の委託を受ける形で次の業務等を行うことができます
- 有価証券の売買の媒介
- 取引所金融市場における有価証券の売買・市場デリバティブ取引または外国市場デリバティブ取引の委託の媒介
- 有価証券の募集もしくは売出しの取扱いまたは私募の取扱い
- 投資顧問契約または投資一任契約の締結の媒介
金融商品仲介業者(IFA法人)株式会社Fanを例にとると、独立系金融アドバイザー(IFA)と証券会社、お客様(投資家)の関係は以下の図のようになっています
2.IFAと他証券窓口との違い
以下の表2.1に総合(リアル)証券とネット証券、IFAの違いをまとめてみました
顧客(投資家)側から見ると、ネット証券と比較して手数料は高いが、証券会社のノルマと転勤のない担当者がいて、投資アドバイスを受けられるということがメリットとなります
資産運用窓口 | 総合(リアル)証券 | ネット証券 | 金融商品仲介業者 (IFA) |
---|---|---|---|
取引形態 | 対面取引 | ネット取引 | 対面取引 |
手数料 | 高い | 安い | 高い |
投資アドバイス | あり | なし | あり |
担当者 | あり(転勤あり) | なし | あり(転勤なし) |
証券会社からの営業指示 | あり | なし | なし |
発足時期 | 昔から | 1998年〜
金融ビッグバンにより手数料自由化、インターネットが普及 |
2004年〜
証券仲介業制度(現金融商品仲介業制度)発足 |
3.IFAの人ってどんな人
独立系金融アドバイザー(IFA)は実際どんな人たちなんでしょうか
若い?ベテラン?男?女? 様々ですが、ちょっと特徴的なのがIFAには
- 金融商品仲介業者(IFA法人)の社員IFA
- 金融商品仲介業者(IFA法人)と委任契約を結んだ個人事業主IFA
の2種類のIFAがいることです
金融商品仲介業者(IFA法人)は金融庁HPによると令和元年9月30日現在 893社あります
金融商品仲介業者(IFA法人)を分類すると以下図のようになります
社員IFAと個人事業主IFAのどちらが良い悪いということはありませんが、どちらかというと社員IFAはIFA法人の投資哲学に沿った投資アドバイス、個人事業主IFAは証券会社出身が多くベテランでその個人の投資哲学に沿った投資アドバイスが多いと思われます
IFAが保有する資格
IFAは資産運用アドバイスのプロフェッショナルです
そのレベルを担保する資格について紹介します
証券外務員資格(必須)
証券外務員資格は、銀行や証券会社などの金融機関で、金融商品の取引をおこなうために必要な資格です、IFAは全員がこの資格を保持しています
外務員資格試験は、外務員としての資質を確保するために日本証券業協会が実施している試験です
証券外務員の資格には二種と一種があり、二種外務員資格は、いわゆる現物株式などの外務員の職務を行うことができますが、信用取引、デリバティブ取引などリスクの高い商品についての外務員の職務を行うことができません
一方、一種外務員資格は、二種外務員資格の上級資格に位置付けられます。二種外務員資格で行うことのできる外務員の職務に加え、信用取引、デリバティブ取引を含めたすべての有価証券に係る外務員の職務を行うことができます
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、一人ひとりの将来の夢や目標に対して、お金の面で様々な悩みをサポートし、その解決策をアドバイスする専門家の資格です
主なFP資格にCFP®資格、AFP資格、FP技能士があります
証券アナリスト
証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用して、各種情報の分析と投資価値の評価を行うことにより、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルとしての資格です
証券アナリスト(CMA)資格取得には、まず「証券アナリスト第1次レベル講座 」を受講・受験し、 合格後に第2次レベル講座を受講・受験して合格する必要があります(3年以上の実務経験が必要です)
4.IFAが取り扱える商品と手数料
よく聞かれることなので最初にお話いたしますが、IFAに資産運用の相談をしても相談料みたいなものは一切ありません
IFAは証券外務員資格というもので仕事をしており、法律上相談料みたいなものを受け取ってはいけないことになっています
さて、IFAが取り扱える金融商品は様々あります
主にIFAが所属する金融商品仲介業者(IFA法人)が業務委託契約を結んでいる証券会社が扱っている商品となります
場合によっては保険会社と保険代理店契約を結んでいるIFA法人もあるのでその場合は保険契約も可能です
よってどのような商品が取り扱えるかは、金融商品仲介業者(IFA法人)のHPで業務委託契約を結んでいる証券会社を確認しそこのHP等で確認することが必要です
上場株式や主要な投資信託は扱えるところが多いと思いますが、以下の点には注意が必要かと思います
- 地方証券取引所の株式は扱えるか
- 外国株式は扱えるか
- 債券(国内・海外)は扱えるか
- IPO・POは扱えるか
他にも気になるものがあれば遠慮なく金融商品仲介業者(IFA法人)に確認したほうが良いです
口座開設の後、これを買いたいと思った時に買えないと困りますからね
参考のため以下にSBI証券と楽天証券のIFAサイトと手数料ページのリンクを貼りました
ご参照ください
SBI証券HP IFAサイト
SBI証券IFAコース(プランA) 手数料
楽天証券HP IFAサイト
楽天証券サービス対象商品・手数料
5.IFAと取引する時はどんな手続きが必要か
IFAとの取引といっても通常の証券口座を開設するのとそう大きな違いはありません
通常はIFAとの面談時に取引証券会社を決めて口座開設用紙を受け取り、必要事項を記入して取引証券会社に郵送、およそ2週間程度で口座開設の運びとなります
6.IFAとの取引が向いている人、向いていない人
IFAとの取引は担当者がついて投資アドバイスが受けられるかわりにネット取引と比較して手数料が高めに設定されています
そのため、投資アドバイスが必要のない熟練した投資家には不向きであるといえます
IFAの担当者は投資に関する知識が豊富なので、じっくり説明を受けたいという方には向いていると思います
IFAとの取引が向いている人
投資が初めての人
投資が初めての人は当たり前ですが投資経験がありません
投資経験が豊富なIFAのアドバイスは役に立つと思います
金融知識に自信がない人
投資経験があっても、金融知識に自信がない人というのはかなり多くいらっしゃいます
むしろ金融知識に自信があるという人の方が過剰にリスクを取って資産運用がうまくいかないという例も見られますので決して悪いことではないと思います
IFAは投資経験とともに高いレベルの金融知識を有していますので良いパートナーになると思います
金融知識があるかないかは金融広報中央委員会「知るぽると」の金融リテラシークイズが参考になります ぜひ試してみてください
忙しい人
忙しい人は常時ご自身の資産動向をチェックすることは難しいと思います
担当するIFAがいれば、ご自身の資産に大きな変化を及ぼす状況が発生した時にご連絡し必要なアドバイスを受けることができます
優柔不断な人
資産運用はどのタイミングで何をいくら買う、売るという決断が必要です
でも人間だから迷いは必ずといっていいほど発生します
担当するIFAがいれば無理強いすることなく、適切な判断に必要な情報を提供してくれます
IFAとの取引が向いていない人
人を信用できない人
アドバイザーとして信用できるかどうかは、付き合いの中で判断していくわけですが、初めから人を信用しない人は怖くてIFAもその人を信用できません
稀な例ではありますが過去証券マンを騙そうとして近づいてくる者もいました
”買うと言った覚えはない”と後から言ってきたりするケースです
お客様(投資家)もIFAを選びますが、IFAもお客様(投資家)を選ぶ権利があります
IFAと信頼関係を築く気がなければIFAでなくネット証券をお使いになることをお勧めします
過剰に手数料が気になる人
時々、どんな商品かよりも手数料の高安を気にするお客様(投資家)がいらっしゃいます
IFAの投資アドバイスの質が手数料に見合わないと考える方はネット証券をお使いになることをお勧めします
高齢者
非常に残念なことですが、主に80歳以上の高齢者にリスクのある商品をお勧めすることは社会通念上コンプライアンスの問題があるため、IFAの投資アドバイスを提供できない可能性があります
短期売買思考の人
極端に言えばデイトレーダーの方がIFAと取引しても有効なアドバイスを得られないばかりか、手数料ばかりかかって運用パフォーマンスが悪化する可能性が高いと考えられます
運用売買のスパンについて短期思考とIFAは相性があまり良くないと思われます
7.自分と相性の良いIFAの探し方
繰り返しになりますが、金融商品仲介業者(IFA法人)は金融庁HPによると令和元年9月30日現在 893社あります
これらIFA法人には一人以上の独立系金融アドバイザー(IFA)がいますので、総数はかなりの人数になります
そんな中から自分と相性の良いIFAを探すのは大変です
簡単な探し方はありませんがアプローチ方法としては以下の3つが代表的なものだと思います
証券会社のHP等から探して相談する(主に社員IFA)
証券会社のHPから探す方法
- IFAビジネスを行なっている証券会社のHP等から金融商品仲介業者(IFA法人)のHPを探す
- そのIFA法人のHPから投資哲学を確認
- 自身の考えと合いそうなIFA法人にHPから問い合わせる
<参考>
SBI証券HP 資産運用アドバイザー(IFA)に相談する
楽天証券HP 契約IFA法人一覧
証券会社のHP等からIFA開催の資産運用セミナーに申し込む(主に社員IFA)
資産運用セミナーに申し込む方法
セミナー後に個別相談等行なっていたりします
そのIFA法人が自分と合うかイメージできると思います
<参考>
SBI証券HP 資産運用アドバイザー(IFA)セミナー情報
楽天証券HP セミナーのご案内
“IFA”、”相談”などの語句で検索し個々IFAのHP等から相談する
社員IFAを探すには上記の方法が早いと思いますが、個人事業主IFAを探すのは大変です
“IFA”、”相談”などの語句で検索し個々IFAのHP等から相談するのが常道と思いますが、検索上位には証券会社・有力IFA法人等のサイトが多く、なかなか個人事業主IFAのページを探すのは難しいです
何か良い方法が見つかったら改めてここで紹介したいと思います
8.まとめ
いかがでしたでしょうか
“IFAに資産運用の相談をしてみようかな?”
という方々に知っておきたい内容を書いてみました
もし、この中にあてはまらない”知りたいこと”がありましたら、ぜひ下にあるコメント欄からお知らせください
どんどん追加で加筆し、投資家皆様に120%お役に立てるページにしたいと思っています
なにとぞよろしくお願いいたします