ファイナンシャル・プランナーの本来の職務は”ウェルス・マネジメント”である
マネー・マネジメントとアセット・マネジメント、ウェルス・マネジメントの違いは何か
クライアントとどういう関係でいるのか
この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズとは……
本の概要:
投資プロセスの指針、マーケティングについての理論、説明、意見、および実務家の経験に基づく提案などを盛り込んだ総合的なテキストであり、実務家にとってすぐに役立つ実践的な手引きとなっている。著者:
ハロルド・ R ・エバンスキー
米CFPボード、国際CFP協会各会長。Evensky.Brown & Katz社パートナー。
1965年コーネル大学卒業(68年同大学修士)。プロクター・アンド・ギャンブル、ベーチェ証券、ドレクセル・バーナム・ランバートなどを経て85年独立
『ウェルス・マネジメント』著者紹介より
この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズ
“クライアントの真のリスクは死ぬことではなく「生き長らえる」ことだ” p.19
“私は、ウェルス・マネジメントというものは、90%は芸術であると考えている。しかし、残り10%は科学であり、それが判断の基礎になっていると考える。” p.170
解説
“クライアントの真のリスクは死ぬことではなく「生き長らえる」ことだ”
資産運用を長期で考えることを話すと「そんなに長く生きていられないよ」と言うクライアントがいた。
その時のプロのウェルスマネジャーの完璧な答えは
「早く死ねるものなら死んでみろ!」
プロのウェルスマネジャーはクライアントがプランよりも長く生きるかもしれないという恐怖で眠れないこともある。
人生100年時代には死ぬことよりも生き長らえるのがリスクなのだ。
“私は、ウェルス・マネジメントというものは、90%は芸術であると考えている。しかし、残り10%は科学であり、それが判断の基礎になっていると考える。”
最近、暗黙知というものが注目されている。
知識は言語として伝えられるが、暗黙知、いわゆる知恵というものは伝えることができない
昔ながらの職人さんが、自分の背中を見て覚えろというのが典型的な例。
ウェルス・マネジメントも同じようなことがあり、理由は説明できないが直感的な判断を重視すべきとの考えがある。
これはその直感が、過去のキャリアや豊富な知識をベースにした深層心理から生じたものであるから。
総合評価
難易度
中級(FP等)
資産運用の役立ち度(星1~5)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
帯にファイナンシャル・プランナー必携!とあるが、内容的には富裕層相手のプラーベート・バンカー向けでも遜色ない内容である。