運用管理手数料が年に5%、成功報酬手数料が利益の40%、こんな高率の手数料を支払ってなお過去28年間年平均リターンが40%に達する……
1988年に運用を開始したルネサンスの旗艦ファンド”メダリオン”
資産運用の歴史が始まってから現代最先端の運用まで
いまだにランダムウォーク理論を振りかざしパッシブ運用を尊ぶのは古いのか?
この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズとは……
本の概要:
ランダムウォーク理論/モダンポートフォリオ理論/CAPM/効率的市場仮説/ブラック=ショールズ・モデル/アービトラージ/カオス理論/バリュー投資/AI運用 等
100年分の投資理論が体系的に一気にわかる! 確実に相場に勝てる方法、いわゆる“聖杯”は本当にあるのか?著者:田渕直也
1963年生まれ。85年一橋大学経済学部卒業。同年、日本長期信用銀行に入行。デリバティブを利用した商品設計、デリバティブのトレーディング、ポートフォリオマネジメント等に従事。英国証券現地法人であるLTCB International Ltdや銀行本体のデリバティブ・ポートフォリオの管理責任者を務める。2000年より、UFJパートナーズ投信(現・三菱UFJ国際投信)にてチーフファンドマネージャーとして、債券運用、新商品開発、フロント・リスク管理、ストラクチャード・プロダクツへの投資などを担当。その後、不動産ファンド運用会社社長、生命保険会社執行役員を経て、金融アナリスト、コンサルタントとして活動。株式会社ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『ファイナンス理論全史 儲けの法則と相場の本質』より
この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズ
“でも、好成績を収めたサルの多くが、同じ森にすむサルだと分かったらどうだろう”p.76
解説
“でも、好成績を収めたサルの多くが、同じ森にすむサルだと分かったらどうだろう” p.76
この言葉は1984年コロンビア大学で行われた討論会で、伝説的投資家ウォーレン・バフェット氏が効率的市場仮説派の論客マイケル・ジェンセン氏にランダム・ウォーク理論への反駁として言った言葉です。
効率的市場仮説とは、すべての利用可能な情報が完全に市場価格に反映されているとする仮説で、株価はランダムに動くから、ぶっちゃけ将来の株の動きなんか考えたってわかんないよという説です
この説明の例え話としてよく出てくるのが、バートン・マルキール著 「ウォール街のランダム・ウォーカー」の1節
“ランダム・ウォークの最も極端な主張によれば、目隠しをしたサルに新聞の相場欄めがけてダーツを投げさせ、それで選んだ銘柄でポートフォリオを組んでも、専門家が注意深く選んだポートフォリオとさほど変わらぬ運用成果を上げられることを意味するからだ。”p.23
この話を知らなければ、”なんでいきなりサル?”となりますよね。
バフェットは好成績を収めたサル(投資家)は同じバリュー株投資という森にすむサル(投資家)。
だったらランダム・ウォーク理論の反証になりえますよねと皮肉を込めて言ったわけです。
総合評価
難易度
初級(初心者〜)
資産運用の役立ち度(星1~5)
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
資産運用に関して勉強しようと思った時、資産運用の歴史に立ち返るのが最もわかりやすい方法。
その時代時代でどうやったらうまく儲けられのか多くの人たちが考えた結果が積み重なって現代のファイナンス理論につながっている。
株式投資の初心者はこの本を読んで難しいと思うかもしれないが、株式市場にはこのような人たちが大勢いると知れば取り組み方も違ってくるだろう。
ここ最近の資産運用本では最も良い本と思う。