2020コロナショック、新型コロナウイルス感染症は多数国家のロックダウンを伴い、1929世界恐慌以来と呼ばれる経済危機を招きつつある
1929年高値から約3年で90%下落したNYダウ、果たして今回も同じ軌跡を辿るのか
当時と現在、何が同じで何が違うのか
世界で株価が暴落する度に読み返される、恐慌論の名著
この本から学ぶ、資産運用に役立つキラーフレーズとは……
本の概要:
会社型投資信託のブーム、レバレッジ効果、バブル紳士の跋扈。動きの鈍いFRB。今も昔も変わらない人間の織り成すバブル崩壊劇を活写する。1954年初版。著者:
ジョン・ケネス・ガルブレイス
1908年~2006年。カナダ出身の経済学者。主流派経済学の狭い理論的方法の枠を脱し、時代感覚に溢れた旺盛な執筆活動で世界的なベストセラーを量産。『アメリカの資本主義』で拮抗力、『ゆたかな社会』で依存効果、『新しい産業国家』でテクノストラクチャーといった新しい概念を生み出した。ハーバード大学教授のかたわら、民主党政権のブレーンを務め、ケネディ政権時代にはインド大使を務めた。著書に『不確実性の時代』、『マネー』『経済学と公共目的』など。
『大暴落1929』著者略歴より
この本から学ぶ、資産運用に役立つキラーフレーズ
“風船を破裂させるのは簡単だが、針を刺して徐々に空気を抜くのはむずかしい” p.52
“不幸を予言する者はきらわれる” p.116
“楽観論に抵抗した人たちも長らく不遇だったことを忘れてはいけない” p.125
“最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである” p.182
解説
“風船を破裂させるのは簡単だが、針を刺して徐々に空気を抜くのはむずかしい”
連邦準備理事会(FRB)は株価がバブルの様相を呈していることを理解していた
しかし、現実的な選択肢として、人工的にバブルを崩壊させるか、あとでもっと重大な事態になるまで放置するか、どちらかしかなかった
どちらにしても非難されるが、直接手を下せば責任者が誰かはっきりとわかってしまう
“不幸を予言する者はきらわれる”
ブローカーズ・ローン(信用取引)の残高が大幅に増加していた
このことに懸念を表明すると、不安を煽る行為として非難された
株が上昇し、皆が喜んでいる時、その雰囲気を壊すように弱気論を語る者は嫌われる
“楽観論に抵抗した人たちも長らく不遇だったことを忘れてはいけない”
良質の金融専門誌や新聞は株価高騰の夢物語を拒絶し続けたが、彼ら少数派にとって、大暴落前に何度かあった一時的な急落は苦しい試練であった
ニューヨーク・タイムズは急落があるごとに株の終わりを示唆したが、その度ごとに再び上昇に転じてしまい、度重なる失望に耐えるほかなかった
”楽観論者はやがて名誉失墜という報いを受けることになるのだが、楽観論に抵抗した人たちも長らく不遇だったことを忘れてはいけない”
“最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである”
株価の暴落はそれが起こった時、同時に終わっていることも少なくない
しかし、1929年10月24日(木曜日)の暴落はじつは最悪ではなく、これから続く大暴落の始まりに過ぎなかった
総合評価
難易度
初級(初心者〜)
資産運用の役立ち度(星1~5)
⭐️⭐️⭐️
ほとんどが文章で、データ等のまとまりに乏しい、また株式市場全体を示す指標はNYダウ平均ではなく、ニューヨーク・タイムズ紙が発表する工業株25種平均(タイムズ平均)が使用されている[p.26]
その反面、当時の株式市場に関わっていた人たちの感情や行動が丁寧に描かれており、時代の雰囲気を感じられる作品となっている